今年一本目はカイジファイナルゲームとなりました。
カイジファイナルゲーム観てきました。
ふじまるGTです。
カイジのモノマネする人達に自らネタを提供していくスタイル。むしろカイジのモノマネに藤原竜也が寄せていってた感じがします。
ウケます。良いですよね。
でも内容は決して良いもんだったとは言えませんでした。
ネタバレ有りなので、気になる人は観てから来てください。
まずはストーリー。
2020年オリンピック後、恐ろしいまでに失速した日本の景気。
ガソリン1リットル750円。
缶ビール1本1000円とかそんなレベルです。
国の借金15兆円、失業率40%、疲弊しきって安売りされた日本の技術を外資がハゲタカのように買い漁っている。
なんてところから始まるんです。
世界観がぶっ飛びすぎてる。
でもまぁそれはいいんですよ。フィクションの中のリアルっていうか、こっちをそのぶっ飛んだ世界に引きずりこんでくれさえすれば。
無理でしたね。
変にリアルさだそうとしたせいで、嘘臭さが滲むというかね。
ゲームの内容もダメでした。
ゲームが4種類出てくるんですけど、全部ドキドキしない。
バベルの塔は駆け引きなんかなんもない。早い者勝ち。福男みたいだなぁ。って感じで見てました。ブレイブメンロードをやりたいだけで作ったゲームだあれは。
あんなんで若者の暴動を鎮静化するのに一役買ってるとは思えなかったなぁ。みんなちゃんとしたもん着てるし、貧困に窮してる感じがない。
人間秤が1番やべー。
ただのプレゼンテーション大会。
しかも対決が黒崎対東郷の対決で、カイジはあくまで外野、いきなり出てきた東郷に思い入れもなんもないし、何を見せられてんだって気持ちになりました。
黒崎はとてもわかりやすく嫌なやつで、搾取側の人間を描くのにすごくいいキャラでした。
なのに、裏をかいたり読み合いをするでもなく、帝愛の力を使った圧力や根回し。
そりゃそうだよね!ゲームがプレゼンテーション大会だもんね!
東郷側もカイジの熱で搾取される側の民衆を仲間につけて倒すとかじゃないんだよね。結局ドリームジャンプで得た金で黒崎に拮抗したからもしかしたらカイジが勝つんじゃない?って思ったやつらがカイジに乗っただけ。
金じゃねぇ!!とかいいながら結局金だったという。ここに金じゃない何かを用意できなかったのは最大に良くなかった点だと思いました。
あとあれだ。コイン数枚であんな秤動くかよ。って。違和感がすごい。
3つ目はさっき言ったドリームジャンプ。
10本の内の一本だけロープが繋がってて、残り9本は死ぬってゲーム。
ブレーカー落として当たりの番号シャッフルできなくして、前回の当たりから飛ぶとかいうアホみたいな潜り抜け方したんだけど、あの無駄なラッキーガールの設定ここで使うべきだったんじゃ?と思いましたよ。適当に選んで飛んで、ほら私ラッキーガールでしょ。とかで良かった。どうせ勝つんだから。
4つ目のゴールデンじゃんけん。
じゃんけんをするときに1回は純金の卵を握って出さないといけないってルール。それで勝てば卵をもらえる。ってやつなんだけど、金が欲しけりゃ必然的に卵を握らないといけないからグーを出さなきゃいけないわけだけど、今回かけてたのは金じゃなくてパスワードだから金に固執してないわけ。
ならグーを出す時、卵を握らないで出せばいいんじゃないの?って思ったらその通りでした。
嘘だろ嘘だろ。最終決戦がこんな誰もが思うようなことでいいのかよ。ってなりましたよ。
しかもこのゲームのすべてに、実はこうだったんだ。みたいに全部説明してくる。いや、見せられてたから説明いらねぇ。この説明がたるいから先の展開考える時間ができちゃってこうくるだろうなぁ。あ。やっぱり?みたいになっちゃってんのよね。表情とか仕草でわからせて欲しい。
こっちに考えさせる暇を与えないテンポを大切にして欲しいです。
1、2のキャラがちょこちょこ出てきたり、もはやギャグみたいになってるキンキンに冷えてやがるとか悪魔的だ〜。みたいのを散りばめててファンサービスなのかもしれないけど、なんか逆にベタすぎてこっちが恥ずかしくなってくる勢いでした。
対決の構図を、悪徳政治家vsカイジにしてしまったのが良くない。カイジはヒーローでもなんでもない。クズの中でもちょっと閃きのあるクズみたいな立ち位置だから面白いわけであって、政治家の不正を暴くとか、そういうやつではないよ。政治家や国と戦うために、金額もでかい戦いをしなくちゃいけなくて、そこで東郷が登場するんだけど、東郷の金で戦うから、ジリジリこないんだよなぁ。
カイジが召集された時も、あのギャンブルの天才みたいな感じのとこにいるし。
あくまでクズで、追い詰められた時に閃きが爆発して大逆転。そんなカタルシスがずっと無かった。
地下帝国が完成してんだから、帝愛との戦いに巻き込まれていく。で良かったじゃん。
自分の金とか臓器賭買っててもう後が無いってところからの大逆転がみたいんですよこっちは。
ほんのちょっぴり良いところもあるんです。
帝愛の地下カジノが良い感じにサイバーパンク感あって雰囲気出てました。美術関連は良い雰囲気のものがいっぱいです。
作り方もちょっと話したこととかが後でつながってきて伏線を回収していくスタイルなんで、これは好きな感じでした。
もうちょっとつっこむと、伏線を回収していくスタイルにしたいがために作られた登場人物の山。キャラクターがその伏線のためのギミックでしかないからキャラにちっとも愛着が湧かないという残念要素なんですけどね。
特にさっきも言ったラッキーガール。あいつがいらなすぎた。ラッキーガールの力を使ったところが無い。スマホ受け取った時に、やっぱりお前はラッキーガールだよ。ってカイジにわざわざ言わせないといけないくらいラッキーガール感なかったです。
美術と構成は悪くなかっただけにそれが残念でならない。
最大級に良かったのは藤原竜也。
カイジが藤原竜也じゃなかったら見てられなかった。藤原竜也が叫んでる時だけ、作品に熱が帯びてました。
金ローで2週連続前作やって次の週にオリジナルテレビスペシャルでよかったんじゃないかな。って内容でした。
やっぱり邦画は映画館で見なくていいかな。って気持ちになりました。