絶対観ようぜ!ワンスアポンアタイムインハリウッド
こんにちは。
ワンハリ観ましたか?
ふじまるGTです。
すごい良い映画でした。
公式からあらすじコピーしてきました。
リック・ダルトン(レオナルド・ディカプリオ)はピークを過ぎたTV俳優。映画スターへの道がなかなか拓けず焦る日々が続いていた。そんなリックを支えるクリフ・ブース(ブラッド・ピット)は彼に雇われた付き人でスタントマン、そして親友でもある。目まぐるしく変化するエンタテインメント業界で生き抜くことに精神をすり減らし情緒不安定なリックとは対照的に、いつも自分らしさを失わないクリフ。この二人の関係は、ビジネスでもプライベートでもまさにパーフェクト。しかし、時代は徐々に彼らを必要とはしなくなっていた。そんなある日、リックの隣に時代の寵児ロマン・ポランスキー監督と新進の女優シャロン・テート(マーゴット・ロビー)夫妻が越してくる。落ちぶれつつある二人とは対照的な輝きを放つ二人。この明暗こそハリウッド。リックは再び俳優としての光明を求め、イタリアでマカロニ・ウエスタン映画に出演する決意をするが—。
そして、1969年8月9日—それぞれの人生を巻き込み映画史を塗り替える【事件】は起こる。
私は映画はその時間その世界の住人になれるっていう感覚が好きなんですけど、この映画はカメラアングルが凄く良くて、リックとクリフと一緒に行動してるような感覚にしてくれるので世界に入ってる感が凄く心地よい。
特に、車の運転シーンがこの映画よくあるんですが、後部座席から2人の背中越しに道路を見てるような構図がたくさん出てきて、一緒に車に乗ってる気分にしてくれます。
ここからネタバレありです。
観てきてください早く。
ほら。いけー!
映画観るつもりなら絶対観てから読んで下さいよ!観ないつもりならこのまま進んで下さい。観て欲しいですけどね!
ラスト13分、映画史が変わる。
完全に変わりましたね。
そういう意味でしたか。
完全にやられました。
だってそうでしょう。
公開前、シャロンテート事件しっかり把握して行ってくださいね。って煽りまくってたから、ちゃんと把握して、この事件にどう架空の2人が絡んでくるんだろう。と観に行ったら、まさかのマンソンファミリーのターゲットがシャロンからリック邸に変わってるんですから。
ここに至るまでに、僕らは何を観させられていたかと言うと、リックとクリフとシャロンの日常。
そこに意味なんか無くて、ただただ生きてる3人の姿が描かれている。
その中で、リックとクリフの関係性だとかそれぞれの思いなんかが自然と把握出来てるんです。
特に良いのがスタントマンとして何でもいいからクリフに仕事やってくれと食い下がるリックのシーンとか、もう落ち目だって明確に突き付けられてそんなの自分でもわかってるけど、どうしようもなくて泣くリックを慰めるクリフのシーンとか2人の友情が最高過ぎてニヤニヤしちゃうんです。
友情物最高です。
友情といえばもう1つあって、クリフとクリフの愛犬ブランディの友情も重要ですね。
クリフのブランディに指示する時の、チッチッて口鳴らすやつめちゃくちゃカッコいいんですよね。ブランディお利口さんで可愛いし。
そしてこの2人とは対照に、これからもっとスターになっていくんだろうなって、これからの人として描かれるシャロンですが、特にこの2人に絡んでくることはなく、とにかくキラキラした日常を過ごしているところをみせてくれます。
シャロンがキラキラしてればしてるほど、あーこの後殺されちゃうんだよなぁ。って観ちゃうんですよ。
予習したから。
この予習しろがすでにもうギミックに組み込まれてんですよね。
クリフがブルースリーボコすシーンとか、あのやたら不気味なシーン、ヒッピー達が住むスパーン牧場に1人で入っていくとこでヒッピー1人ボコすとこで、クリフは殺ると決めたら別に殺ることに躊躇ないやつだって自然とわかるし、別に説明もしてこない。
これドラクエの映画だったらクリフは殺すことに躊躇いがない。みたいにキャラに喋らせて説明させてますよ。
日常を見てるだけで自然とそのキャラの背景を見せてるのがうますぎるのよ。
リックが撮影の時、セリフ飛んじゃって、控え室的なトレーラーに戻った時の何やってんだ!昨日酒を8杯も飲んだからだろ!って鏡見ながら自分にキレたり泣いたりして、3、4杯にしとけば良かったのに!って言いながら酒飲むところ笑いました。あそこのシーン脚本段階では無くてあとから追加してレオ様の即興みたいです。パンフに書いてありました。
リックが過去の代表作の話をしている時に特に強調されて出てくる マクラスキー14の拳っていう作品。
ナチ共死ねー!みたいな感じで火炎放射器で焼き殺しまくっていく作品。あれ最高だったねみたいな会話で、火炎放射器は自分で?って聞かれて、その練習風景まで出てきて、笑いどころになってるんですけど、これが後から効いてくる。
良いシーンは語り出したら終われないので最後の13分に戻ります。
史実ではマンソンファミリーがシャロン邸を襲撃してシャロンとお腹にいた赤ちゃんが殺されたという話ですが、マンソンファミリーのターゲットがリック邸になって、リック邸にはクリフがいます。
もう我々、クリフがいざとなったら殺しに躊躇いのないやつだってわかってますから。そして愛犬はクリフの言うことをよく聞く偉い子ってのも知ってます。
クリフのチッチッて口鳴らしてブランディがマンソンファミリーに噛み付くところからのクリフがマンソンファミリーボッコボコにしていくとこは痛快でした。
ここまで見てきた彼らの行動が、全部ここに集約してましたね。
火炎放射器持ち出してきたのはマジでふふふってなりましたよ。
バイオレンスに殺してるのに笑えるしなんかスカッとする。
そしてシャロンはこの映画では死なない。
シャロンテート事件予習したことで完全に騙された。
この映画でヒッピー共をボコボコにしてやることでタランティーノ監督的な復讐を果たしてる気がしました。この映画の中ではシャロンは生きてこれからスターになっていくんだなぁ。って想像できるし、騒ぎを聞いて家から出てきたポランスキーとリックは知り合いになって家に招待されて、リックはポランスキーの映画に出演したりするんだろうなぁって想像できる幸せな終わり方でした。
映画の最初、すげぇとなりにポランスキーが引っ越してきたぜ。っていうところと同じで、自分では落ちぶれたって泣くけど、リックだって十分スターだし、お隣リックダルトンだぞ!ってなってたんじゃないかな。
最後の手前マンソンファミリーの1人が持ってたナイフがクリフの腰に刺さったせいで倒れちゃって、救急車で運ばれるクリフにリックがいい友達だ。って声掛けた後のクリフのセリフが1番好きでしたね。
「努力してる」
ぐおぉ!ってなりました。
あらすじにもありました。情緒不安定なリックとは対照的にいつも自分らしさを失わないクリフと。
クリフ何にも動じねぇ。って感じがするキャラなんだけど、リックが安心できるように常にどっしり構えてたんだ。いい友達でいれるために。
ってのがこの一言に全部詰まってんな。って思いました。
友情物最高。
とても良き映画を観させていただきました。