ジョーカー。観た方がいいです。
こんにちは。
衝撃の話題作ジョーカー観てきました。
ふじまるGTです。
これは、ね。
どうみるか。で感想がかわりそうな作品でした。
ジョーカーの映画としてみるか、アーサーフレックの映画としてみるか。
面白かった。
面白いか面白くないかは人それぞれなのですが、面白くなかったとしても何が面白くなったのかという感想を持つためだけにでも観た方がいいと思う作品です。
こいつをスルーしてしまうのは勿体ない気がします。
ネタバレありです。
観てから読んでください。
舞台はゴッサムシティ。
清掃員のストライキにより、街にはゴミが積み上げられ悪臭が漂っている。
そんな街でピエロの衣装で大道芸人をやって日銭を稼いでいるアーサーフレック。母と2人暮らしでお笑いが大好き。いつかコメディアンとして成功したいと思いながら生きている男です。
アーサーは脳に障害があって、人前で急に笑い出してしまうことがあります。
それが不気味で気持ち悪いと引かれたりする生活をしています。
こいつにとにかく不幸が降りかかってくる。
ピエロで仕事中に持ってる看板を悪ガキ達に奪われて、追いかけた先でボコボコにされたり、奪われた看板の弁償をさせられたり、そんな中で障害のために飲んでた薬の補助が打ち切られたり、まぁ、とにかくかわいそうなやつだってのをこれでもかと刷り込んできます。
もうこっちはアーサーに感情移入しまくってます。
そこで、落ち込んでるとこに、同僚が元気出せと紙袋を渡してきます。
中には一丁の拳銃と弾何発か。
拳銃なんて良くないよ。と返しますが、まぁまぁと押し付けられます。
良くないよ。と言いつつも、持ってみるとやっぱりちょっとなんか心の拠り所にしてしまいます。
お守り感覚で所持して、小児病棟でピエロの仕事中に銃を落としてしまいます。
これがきっかけで仕事をクビになります。
この後電車に乗っていると、3人の男が女をナンパしています。その時に、笑っちゃう病気が出ちゃってなんだよ気持ちわりーな。何がそんなにおもしれーんだ?って絡まれ、またボコボコにされます。
ここで、みんな不穏な気持ちになると思うんですよね。アーサーが銃持ってるの知ってますからね。
こんなゴミクズやっちまえよアーサー!!
って思っちゃったんですよね。
これを、やめとけよ。やめとけよアーサー。ってみる人もいたはず。
あとで思い返すと、やっちまえなんて完全に持ってかれてました。
結局はここでやっちまって、ジョーカーの片鱗を見せるわけですが。
ね。
アーサーはいつも笑顔で。って育てられて、銃は良くないよ。って同僚に言ったり、バスで子供笑わそうと変顔してみたり、一生懸命母親の介護したり、なんか良くあろうとする人なんだけど、たぶんあいつは人の気持ちをちゃんとはわかってない。合わせなきゃ合わせなきゃって生きてる。
人が笑ってるから笑うし、本当に面白くて自分が笑ってるとこは人は笑ってなかったり、なんかずっとずれてんです。
あの病気で笑いが出ちゃってる時の笑いじゃなくて、人に合わせるためにヘラヘラ笑ってるときの演技がめちゃくちゃ好きでした。
デモに紛れ込むときの感じね。
予告だと、まともに生きてる人がジョーカーになっていく様を描いたような感じに見えるけど、アーサーは最初からジョーカーだったよ。
何もかわってないけど、良くないことだから。って抑えてたものが、この事件で壁を1枚破ってしまったような感じ。
電車のやつをやっちまった時がピエロの衣装だったのとやった相手がウェイングループの社員だったことで、ピエロ事件みたいな感じで権力に歯向かうアイコンになってしまいます。
街にはピエロのお面を被った連中がデモを行っています。それがアーサーには自分が受け入れられたような気になってしまいます。
一生懸命生きてた時には、蔑まれ、誰も自分のことなんか認識してない。ということに心を痛めていました。
皮肉なことに、人をぶっ殺したことで、認識され、抑えてたものが少しずつなくなっていくわけですね。
この街を良くするという公約を掲げているトーマスウェインが実は自分の父親であるということが判明します。
この設定えぇー!!ってなりますよね。
実はブルースと兄弟ってことかよ!!
すげー設定ぶっ込んできたー!
って思ったんです。バットマンとジョーカーが実は兄弟だったとかありそうでなかった設定じゃねーか!と思ったんです。
そして、アーサーはウェイン邸に潜り込み。父親であるトーマスに会います。
あの女がイカレてるだけで、お前は私の息子じゃない。と一蹴。
ただ父親にハグしてほしかっただけのアーサー。
信じられなくて、母親のこと調べたら、まじでイカれた女だったわけです。
アーサーはトーマスの息子でもないし、母親とも血が繋がってなかったし、虐待されてたせいで障害でてるし、テレビでは識者共がピエロ事件を批判しています。
もうこれで最後の線が切れた感じです。母親を殺します。
自分がコメディアンとして舞台に立った時の映像がバズって、大好きなテレビ番組に出演するチャンスが来るんだけど、出演するときはジョーカーの格好で、アーサーとしてじゃなくてジョーカーと紹介してくれと言います。
でテレビで、あの3人を殺したのは僕だ。って発表して、司会のマレーを打ち殺します。マレーフランクリンショーに呼んだのは、自分がスベってるのを笑い者にするためだってわかってたから。
衝撃の放送事故で、大衆は暴徒と化します。
警察に捕まり、パトカーに乗せられるアーサー。燃えゆく街を見ながら本当の笑顔を見せます。そこに車が突っ込んできます。
暴徒の1人が救急車ぶつけてきました。
事故ったパトカーから担ぎ出され、車のボンネットの上に置かれます。
目が覚めると、暴徒達に立て!立て!と煽られ、立ち上がって自分の血で唇の赤いの引き直して終わります。
これがざっくりストーリー。
この世界のどこに自分を置いて観るかで感想がかわりそうな感じがしました。
アーサーに感情移入して観てるとトーマスが嫌なやつに見えるし、世界はクソすぎるから全部ぶっ壊しちゃってもいいような気もしてきちゃうんだけど、アーサーに感情移入してなかったら、トーマスの言ってることは真っ当だし、むしろこっち側の人の方が多いはず。
いきなりやべーやつが目の前に現れてあなたの子供です。って言われてハグするやついないっしょ。
でも、なんでハグくらいしてやれよ!綺麗事ばっか言いやがってみたいな気持ちにさせてくるんですよ。アーサー視点で見させるのがうまい。
マレーフランクリンショーに出た時のコメントもうまくて、ジョーカーが言ってる事の方がまともなんですよね。それも最初に嫌ってほど下層の劣悪な環境を見せられてるから。
日常、ホームレスの人のことなんて考えないのと同じで、普段生活している一般の層からしたらそんなところに思いを寄せない。
見せ方が綺麗だし、演技はめちゃくちゃ引き込まれてすごい良かった。
観て良かった作品です。
いらないな。と思ったのは、実はソフィーとは付き合ってなくて全部アーサーの幻覚だった。ってわかった時の演出。
あなた確かアーサーよね?
のセリフだけで、全部わかるのに、一緒にいたシーンフラッシュバックさせて実は全部1人だったみたいに見せてくるとこ。あれはちょっと説明してきすぎに感じました。
最初、手錠かけられてカウンセラーみたいなやつに話してるとこから始まって、最後も同じとこに戻ってくるから、今まで見てたのは、アーサーが語ってたことを映像として観てたのかな?と思うんですけど、だとすると、ジョーカーが言ってることだし、何が本当で何が嘘かわかんないですよ。
実は全部嘘の話かもしれないし、答えが無いから、私達は永遠にあーでもないこうでもないって語り合えるわけですよ。作り方がうまい。
本当の最後、
ジョークを思いついたんだ。
聞かせて。
理解できないよ。
って言って血のついた足跡で部屋から出てきて追いかけられて、右に逃げて、左に逃げてみたいなチャップリンとかトムとジェリーみたいなスラップスティックみたいな喜劇風で終わるのが良かった。ジエンドの文字の感じとかね。
理解できないよ。ってたぶんこっちに言ってますよね。
あーだこうだジョーカーについて語るけど、結局ジョーカーみたいに狂ってるやつのことなんか私達は理解できないんです。
めちゃくちゃ面白かったです。
パンフレットはですね。
劇中使われてた曲はこんな曲ですよ。とか、実は撮影中こういうとこに拘ってました。とか、あの名シーンを見開きでどうぞ。みたいな作りが好きなんですけどね。
これは、映画評論家とかライターさんが、ジョーカーはこんなキャラクターだよ。とかこんなにジョーカーは面白いんだ!ってのを紹介してるページばかりなんです。
いや、観たからわかりますよ。面白かったです。ってなるだけなんです。
今までのジョーカーの紹介とか、原作のジョーカーはこう。みたいな。
この映画にはなんも関係ないでしょそれ。
ってなるからあんまおすすめしません。
なんか言い忘れたけど、どこに入れていいかわかんないから最後に1つだけ。
初めてジョーカーの姿で登場して、階段でダンスするとこで水たまりの水しぶきがパーンて弾けるシーン最高に綺麗でした。
終わり。