コツコツおばさん
こんにちは。
これは私が舞浜という街に住んでいた頃のお話です。
ふじまるGTです。
あの時に住んでいた部屋は4階建てのマンションでした。
そのマンションの3階に住んでいました。
あのマンションはかなり出入りが激しくて、引越しの挨拶に来てくれた熟年夫婦の部屋が、数ヶ月後には若者夫婦が住んでいました。
えっ!?あの部屋のやつ若返った!?ってなったり、空き部屋だった隣の部屋に引越し業者がきたから新しい人入ってくるんだ。って思ったら、また数ヶ月後に引越し業者きて、あれ?前の人いつのまに出たの!?
ってなったり、やっべーマンション入っちまったかなぁ。なんて思ってたんですよね。
そして、このマンション最大のヤバいやつの話をしたいと思います。
『コツコツおばさん』
私が住んでいた部屋の上の部屋。
4階のおばさん。
夜になるとバタンッ!バタンッ!と扉の音が鳴って、コツコツコツコツとピンヒールで階段を降りていく音。
うっうるせー!
とにかくうるさい。テレビ見てるのに外からのピンヒールの音でテレビの音聞こえないくらいうるせーんですよ。
なっ‥‥、なんだあのババァ。
よく考えたら扉もバタンバタン閉めやがって!
少し気をつければ両方抑えられるじゃねぇか!
デリカシーとかモラルみたいなもんが1ミリもねぇのかこいつ!
私の我慢がバケツを溢れました。
私は一言いってやろうと部屋を出ました。
しかし、少し遅かったのか、ババァの姿を捉えることは出来なかったのです。
大家に言おうと思ったんですけど、夜も遅いので次の日に言うことにしました。
翌日、大家に電話して、上の階に住んでるやつのコツコツ音と扉バタンバタンがうるさいから注意してくれ。と頼みました。
「えっ?ふじまるさん。上の階、空き部屋ですよ。それどころか4階は今全部屋空き部屋です」
おいおいおい。
じゃあ私が聞いていたあの音はなんだったんだよ。こえー話すんじゃねぇぞ。
「気のせいだったんじゃないですか?それともおばけとか?はっはっは」
はははじゃねぇぞこのやろう。
いやいや。あれなんだったの?
マジでおばけとか?
なんかモヤモヤしながら、その日の夜を迎えました。
バタンッ!
バタンッ!
コツコツコツコツ
コツコツコツコツ
出た!!
怖い!!
私は恐る恐る部屋を出てコツおばの姿を確認しようと思いました。
昨日は決断が遅くて姿を見ることはできなかったけど、今日は確認するつもりだったから準備万端です。
私の部屋の階を通り過ぎた後です。私はすかさず部屋を出ました。
派手な服に高いピンヒールを履いた、後ろ姿からもうババァとわかる若くない感じ。
いた!
ほら居るじゃん!おばけじゃなかった!
よかった!
よかった!
よかった?
「えっ?ふじまるさん。上の階、空き部屋ですよ。それどころか4階は今全部屋空き部屋です」
大家の言葉を思い出しました。
誰か住んでる!!
こっちの方がこえー!!
引っ越しました。
『こつこつおばさん』完